晴耕雨読

おやおや、いらっしゃい

ジブリ映画の夏、アドリア海の夏

僕は夏になるとジブリ映画が見たくなるのですが、その中でもとりわけ見たくなるのが

「飛ばねえ豚はただの豚だ」で有名な紅の豚です。

 

僕がこの作品をジブリ作品のなかで1,2を争うほど好きだから、というのもありますが、舞台となるイタリアのアドリア海が夏を連想させるからでもあります。

 

物語は豚の姿をした飛行艇乗りのポルコ・ロッソが空賊を相手に賞金稼ぎとして生きる姿を描いた物語で、それまでのジブリ作品とは違い結構大人向けの作りになっています。

ポルコの昔馴染みであるジーナさんとの間には何か一口では語れない大人の関係性が見え隠れしているし、ポルコ自身にも、それまで生きてきた人生の重みと言うか、深みの様なものを感じさせられます。

しかし、物語自体は全体的にコミカルなタッチで描かれており、血生ぐさい描写もなく、哀愁を感じさせながらもさわやかな作りになっていて、大人から子供まで楽しめる良質な作品になっていると思います。

僕がこの作品で好きなシーンは、カーチスに撃墜され大破してしまったポルコの飛行艇

をピッコロ社の工房で修理する場面です。その工房のおやじさんの孫娘であるフィオ

の設計の元、飛行艇が少しずつ修復され蘇っていくシーンは男心をくすぐられます。

(その時工房で食べてたトマトスパゲティが地味に美味しそう)

新しく生まれ変わった飛行艇が裏のドブ川から飛び立つシーンは何度見てもワクワクしてしまいます。

そして何より一番気に入っているのはラストのポルコとカーチスの殴り合いです。

それまでの華麗な空中戦から一転し、地上に降りての男同士のどつきあい、しかも泥仕合です。 飛行艇が題材の作品なのに最後殴り合いって・・・(笑)

 

しかし、それが意表をついていておもしろいと思うし何より、たくさんの物を見て、たくさんの事をしてきて、人生を重ねて年をとっても、子供のように熱くなったり張り合ったり競い合ったりする、大人になりきれない、男のバカっぽさみたいなのが上手に表現されたシーンなんじゃないかと僕は思います。

 

 

そういったストーリーもさる事ながら、僕がとりわけこの映画が好きな理由はこの映画の色彩にあります。

 ジブリ作品の色彩設計保田道世さんという方がそのほとんどを担当されていて、その

穏やかながらも鮮やかな色彩は本当に素晴らしい物があると思います。

その中でもこの紅の豚の色彩が僕は特に好きなのです。

 

まずこの作品の顔とも言えるポルコ・ロッソの飛行艇のあの紅色、イタリアンレッドと言うのでしょうか、それがとても鮮烈で美しく印象的です。

 

そしてそのイタリアンレッドと、海の青空の青が素晴らしいコントラストになっていて、この飛行艇の紅をより印象的に美しく引き立てていると思うのです。

この色彩のコントラストこそこの作品のミソであり、そして最高の演出になっているのではないかと僕は思います。

なぜならもし飛行艇の紅が別の色だったら、物語の舞台が海ではなく別の場所で、このコントラストが失われてしまっていたら、僕の中でこの作品はそれほど印象深いものにはならなかったんじゃないかと思うからです。

 

他のジブリ作品にも色彩の素晴らしい演出はいくつもありますが、やはりこの「紅の豚」がそれがシンプルに、一番際立った物だと僕は思います。

 

紅の豚」はもちろん、他のジブリ作品もTVなどで何度も観たという方は多いと思いますが、次はぜひこの色彩表現などに注目してみてはいかがでしょうか。

 

 

僕などは普段ごちうさなどを見て「ブヒィ~ブヒィ~」などと鳴いていますが、ポルコ・ロッソの様に渋くてカッコいい男になりたいものですね☆彡

 

フェラーリンはいい人